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ハチミツとクローバー 蒼井優
ハチミツとクローバー 蒼井優



ハチミツとクローバー
蒼井優、櫻井翔、伊勢谷友介、加瀬亮、関めぐみ
堺雅人、西田尚美
監督:高田雅博 (2006)



何気なく観ていたら、蒼井優演じる「はぐ」が絵を描きはじめる場面で、 映画「ディーバ」で使われた カタラーニの"ワリー"が いきなり流れ、ちょっと驚きました。
ヘッドフォンや、まるまる一曲流したりと、明らかに「ディーバ」を 意識したとしか思えないのですが、これは監督(高田雅博)の思い入れなのでしょうか。 それとも原作者か脚本家か、音楽担当の菅野よう子さんのアイディアか…ちょっと知りたいところ。


恋愛・片想いで忙しい映画ですが、 あのシーンであの曲が使われたのは「ディーバ」の中で語られる 「芸術が商業に迎合するのではなく、商業が芸術に合わせるべき」という観点を 引用したかったから、かもしれないですね(何か意図があってのことと思いたい)。 賞への出品を意識したはぐが途中で描けなくなった事と、 中途半端な作品を個展に出した森田の行為との関係が少し曖昧でしたが。


「ディーバ」を意識した邦画と言えば、 岩井俊二監督の初期の「Fried Dragon Fish」があります(参照)。 蒼井優の映画初出演は岩井監督の「リリイ・シュシュのすべて」で、 その後も同監督の「花とアリス」に出て可憐なバレエを披露していました。


原作を知らないので、一本の青春群像モノとして観ましたが、 日本の学生群像モノ(しかも海に行く)映画だと、「きょうのできごと」(2003)を思い出します。 出演は田中麗奈 、妻夫木聡、伊藤歩など。監督の行定勲は、岩井監督作品の助監督を経てから監督デビューした人 でした(伊藤歩も岩井作品の常連)。
田中麗奈はサントリーの"なっちゃん"の初代CMで人気が出ましたが、 一連の"なっちゃん"CMを手がけていたディレクターが、 この「ハチミツとクローバー」で劇場映画デビューした高田雅博というつながり、です。



あの頃って、なんとなく皆で海に行ったなぁ。
それも、真夜中にいきなり。
それだけでも懐かしい気分に浸れる映画でした。


蒼井優は勿論のこと、関めぐみも良かった。
堺雅人(「ココニイルコト」の印象が強い)や西田尚美も出てました。




Jules_Alba Jules_Alba

■ ジュール(左)がアルバ(右)にワリーの録音を聴かせる場面。
「ハチクロ」ではぐが聴いていたように、大きめのヘッドフォンで、目を閉じて。仰向けで。



式日SHIKI-JITSU
監督:庵野秀明(2000)
岩井俊二が"カントク"役で主演。 海外での劇場公開やソフト発売はされていない映画だと思うのだけど、 Wikipediaの英語版に「ディーバ」の影響が見られる作品の一つとして、 この作品が挙げられているのを発見。見逃している映画だけど、いつか確認してみたいと思ってます。