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■ 「ワリー」とカタラーニ

DIVA
 
ジュールがアルバに、歌について説明した時の台詞。


舞台は山の中で
彼女は死を望んでいる 
恋の痛手を歌うんだ

"私は遠くへ行く とても遠くへ"
"雪は純白に輝き 雪は黄金に彩られる"
"あなたにもう 二度と会えぬ世界へ"
悲しい話だ 
最後に彼女は雪崩に身を投げるんだ。


「ワリー」とカタラーニ

ジュールが録音したディーバの歌は、不遇のオペラ作家といわれたカタラーニ作のオペラ、「ワリー」の第1幕のアリア/「私は遠くに行きましょう」(「さようなら、ふるさとの家よ」)です。


読者の方からカタラーニとワリーについて解説/歌詞邦訳を頂きました。『 歌詞とワリーについての前半はCD※からですが、ワリーの後半部分とカタラーニにつ いては、NHKの「名曲アルバム」を参考にしました。 ※Callas/La Divina(邦題:ザ・ベスト・オブ・マリア・カラス)東芝EMI 』とのことです。 どうもありがとうございました。


□アルフレード・カタラーニ(Alfredo Catalani)1854〜1893 
イタリアの作曲家。ルッカで名の通った音楽家の家系に生まれた。パリ音楽院とミラ ノ音楽院で学び、ミラノ音楽院の作曲家教授を務める。18歳にルッカを去って以来、 彼はほとんど故郷に帰らなかったが、38歳の時ミラノ・スカラ座で『ワリー』が大成 功を収めると、すぐにこの歌劇をルッカで上演し人々に温かく祝福された。しかし、 『ワリー』上演の翌年、旅行先で倒れ、帰らぬ人となった。

カタラーニの故郷ルッカ(Lucca)は、トスカーナ地方の美しい街のひとつ。フィレ ンツェから電車で1時間程。

□歌劇『ワリー』(La Wally) 
スイス・チロル地方の地主の娘ワリーは、隣村の猟師ハーゲンバッハを愛している が、彼を嫌う父から、執事のゲルナーとの結婚を命じられる。ゲルナーもまたワリー を愛し、殺してと囁いたワリーの言葉を真に受け、橋を渡ろうとしたハーゲンバッハ を谷底に突き落とすが、ワリーは本心を告白、二人は抱き合うが、雪崩が襲いバーゲ ンバッハは谷底に落ち、それを見たワリーは彼の落ちた谷底に身を躍らす。

『さようなら、ふるさとの家よ』は、この歌劇の中でも最も美しいアリアで、「愛す る人との結婚が許されないのなら、遠くへ行きます」という「ワリー」の歌である。 『ワリー』を初演した大指揮者トスカニーニは、この作品を大変気に入り、自分の娘 に「ワリー」と名付けた。

 

「ワリー」第1幕より
「私は遠くに行きましょう」(さようなら、ふるさとの家よ) 
もとの歌詞:別ウィンドウで開きます

−邦訳− 
それでは、遠くに行ってしまわねばなりません
まるで、行けと、鐘が鳴っているようですわ
白い雪のかなた
雪のかなたに・・・と。
希望もなしに
悲しみと悩みにつつまれて。
おお、お母さま、たのしいわが家
ワリーはそこから出て
ほんとに遠くへ行かねばなりません。
それがお前の運命、もう決して
帰ることもなく、見ることもできないわ。
決して、決して!
そこから出て行かねばなりません・・・




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