ジャン=ジャック・ベネックス監督及び
ジャン=ユーグ・アングラートによるサイン会もあったそうです。当時、僕は日本を離れて行けなかったので残念な限りなのですが、
読者の よしこさん からメールと資料を頂きまして、その時の様子を知らせてもらったので、掲載します。
96年10月に日本橋三越で「ベネックス展」があったので、行ってきました。
絵コンテとか、監督になる前のレーサーのときのレーサー服やトロフィ(?)、当時
の写真が展示されていて、ベネックスの「俺イズム」が発散されていました。
ベティ・ブルーの主演女優のオーディションフィルム、オタク、処女作、手がけたC
Fなどが小さなTVディスプレイで見られ、充実した内容でした。ベネックスが描い
た前衛絵画のコーナーもありましたし。
前衛絵画のパンフとIP5の絵コンテ(5000円ぐらいした)などが売られていま
した。私は買わなかったんですけど。
展示そのもののパンフがなかったのが残念です。
サイン会にも並びました。ほとんどみんなサインをもらえたみたい。
前日はジャン・ユーグ=アングラードも一緒だったそうです。
並んでいる間、ベネックスファン同士の親密な気持ちが自然に生まれていて、
一人のファンに聞いたことによれば、前日のサイン会ではジャン・ユーグが
気に入った女の子には、「ちゅー」のサービスまであったそうです。
(まあ、おフランスのkissは音ばかり派手なんですが)
ベネックスの「ちゅー」はなかったですが、一人で3枚もサインしてもらったけど、
とても感じよかったです。本人、この日は非常に機嫌がよかったみたい。
んで、展示物のなかにでっかい猫が写っている写真があったので、
翻訳の人を通じて、猫の名前を聞いたら、「シャルロット」だって。
ゲンズブールと関係あるのかしら。
ベネックス展開催時の朝日新聞の記事。
『拝金主義めだつ映画界に嫌気』
洗練された映像で愛の物語を描いて人気のベネックス監督だが、九二年の「IP
5」以来、作品が途絶えている。
「ここ数年は絵画に熱中している」と監督。さきごろ都内で開かれた「ベネックス
展」でも、映画ゆかりの品とともに、自作の抽象画を披露した。
「映画の絵コンテは別のスタッフに任せていたが、絵は昔から好き。映画にも絵画的
な要素は必ず盛り込んできた」
その一方で、「映画界にいやけがさして、筆を執る時間が増えた」と気になること
も言う。
「『拝金主義』の詐欺的商法が目に余るのでね。監督の依頼はあるが、いま映画で真
実を語るのは難しいと思う。二年前に日本で『オタク』のドキュメンタリーを撮った
のも、フィクションに限界を感じたから。三〇年代のパリを舞台にしたミュージカル
など、撮りたい企画もあるのだが……」
同じ記事で、「ベティ・ブルー」完全版について、ジャン・ユーグ・アングラード
が、「個人的には短い版の方が質が高いと思う。こちらは二時間を想定して演技を組み立
てているので、完全版はどうもしっくり来ない」
「でも、自分を豊かにしてくれた思い出深い作品なのは、確か。ベネックスは難しい
人だとプロダクションは反対したんだが、先入観に惑わされずに応募してよかった。
実はジャン・レノも有力候補だったらしいんだ」
と言ってます。
頂いたメールから構成しました。
ありがとうございます。